カナダの「イケメン首相」にヘンプ(大麻)ファンが注目する理由とは?
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で来日されたカナダ「ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)」首相。イケメンすぎる首相として話題ですね。
◎カナダの「イケメン首相」、日本でフィーバー
http://www.afpbb.com/articles/-/3088556
※首相ご本人のFacebookより。44歳。爽やかすぎます。
その就任は昨年11月のこと。トルドー首相は、麻への理解度は高く、産業用だけでなく、医療用・嗜好用途についても積極的に推進されようとしています。選挙公約では「嗜好用の解禁」を掲げていた位で、首相就任した翌々年にあたる2017年春、「医療用」に続き「嗜好用」についても国家として合法化されることが決定しています。
下記の記事は、トルドー首相の発言だそうですが、
◎5 Things Justin Trudeau Says About Legalizing Marijuana
http://www.leafscience.com/2015/10/22/5-things-justin-trudeau-says-legalizing-marijuana/
首相は、過去の吸引体験。タバコより中毒性がないこと。あるいは、規制政策そもそもが失敗状態であり、厳格な法制化をした上で販売すべき、と発言しています。
カナダは、産業用ヘンプ(薬用成分がない品種)の取り組みにおいても、その運営にあたっては厳格な法規制(1997年より)を設けて取り組んできました。そのため、いまや世界を支えるヘンプ原料供給国(特に種子および種子加工品において)になっています。自国流通用のヘンプ製品はもとより、アメリカ・日本などの海外に向けた販売においても成功しているといえましょう。その運用ノウハウをもとに「医療用」だけでなく「嗜好用」においても運用をすすめていくのだろうと想像されます。
【参考:カナダの麻(カナダ農務・農務食品省特殊作物担当が公式に発表したヘンプのリーフレット(日本語版)】
●カナダ産業用ヘンプ栽培の現況
紹介したリーフレットには、断熱材等の繊維活用も記載ありますが、カナダの産業用ヘンプにおける活用部位としては「種子」が大部分を占めています。食用、オイル、ナッツ、種子そのもの、、カナダが世界の原料供給地となっていますね。
当店で扱っているヘンプ食品「ヘンプキッチン」シリーズも、カナダより輸入されているものになります。
さて、そんなカナダの状況を記載した記事を非常に興味深かったので、ご紹介します。
●Hemp processors trying to attract organic product
http://www.producer.com/2016/05/hemp-processors-trying-to-attract-organic-product/
<<記事概要(翻訳文は後述。)>>
- カナダにおいて、ヘンプを栽培して種子を販売している農家、ならびに、その種子を購入するヘンプ加工会社(ヘンプオイルメーカー等)を取り巻く状況について言及。
- ヘンプ種子関連品の輸出金額は、2015年で4,200万ドルから1億ドル以上に拡大している。この成長力は目を見張るものがある。
- ただ、この貿易数値は有機品(オーガニック栽培品)が年々割合を占めるようになっている。消費者は有機品を欲するため、種子を買い付けるヘンプ加工会社(ヘンプ食品メーカ)としても、有機栽培種子を必要としており、その有機種子の確保に困難している。実際、大手ヘンプ加工会社であるManitoba Harvest Hemp Foods と Hemp Oil Canada は、有機栽培の種子は2016年も調達するが、従来栽培品(有機オーガニックはうたえない)の調達は行っていない。
- 麻農家にとってみても、需要が低下している従来栽培品よりも、単位面積あたりの利益高が高い(1エーカー単位で850ドル)有機栽培に集約しはじめている。
- そこで起こっているのが、ヘンプ供給量の伸び悩みである。有機栽培に絞られる結果、耕作地の拡大は伸び悩んでしまっている。
- 一部のオーガニック市場のみを対象として栽培していくのであれば良いのかもしれないが、食品大手(ケロッグ等)へ供給していくにあたっては、原料不安の懸念を与えることになるため支障となってしまう。
- 実質的にみると、有機品も、有機品でない従来的なものも種子そのもので見れば全く同じと考えられる。有機栽培にこだわらなければ、より単位あたりの生産量を高めることも可能で、大手食品メーカーに提供していくこと業界として大きな進化を果たすことにもつながる。
- いまはまさにその転機。有機栽培だけでなく、従来的な栽培品についても双方注力し、ヘンプ栽培の耕作地を拡げていくことが重要ではないか。
苦悩ですよね。農家も仕事人。お金(利益)になるための行動に注力するのは理解できます。一方、そうなると健康志向のオーガニック愛好家だけを対象とした市場への供給が主となって、有機栽培に絞られることはそのまま耕作地減少となってしまう流れにある。でも、有機品でなくてもヘンプ種子の価値は一緒。そのまま一部の人たちのものだけになってしまってよいのか??との提言です。
ただ、ヘンプファンとしては、この著者の提言どおり双方を目指してほしい。ヘンプ(麻)国家であるヘンプには縮小の方向にはなってほしくない。こうなると国家政策の出番です。ヘンプ食品をワールドワイドに展開し、その一大原料供給地としてカナダを確立させるのか?! トルドー首相には、嗜好用もよいですが、食品(従来的な産業用ヘンプ栽培)分野においても、そのリーダーシップを発揮してほしいと思うのでした。
イケメン首相の舵取りに目が離せません。
●日本では?安倍首相(夫人)に期待!?
日本では、麻の活用についてはカナダの真逆(厳しい、という意味です)をいってしまっているのが現状かと思います。サミットメンバの中でも日本だけです。ヘンプの活用に積極的でないのは・・
ただ、安倍首相は明言されませんが、安倍首相夫人は麻の有用性について多く発信されています。
●安倍昭恵首相夫人「日本古来の『大麻文化』を取り戻したい」
http://nikkan-spa.jp/1000384
今回も、ご対面されていらっしゃるようですから、もしかして麻談義もあったかもしれませんね。
<<翻訳(参考程度にお願いします)>>
『ヘンプの加工者たちは有機製品を引き寄せようとしている』
カナダのヘンプ食品産業にはある問題がある。
ヘンプを購入するほとんどの消費者は、買い物客の中でも、「健康志向」の分類に入り、これはつまりプロテインや健康的な油のためなら高価なお金を払ってでも購入することに意欲的である、ことを示している。
こういった人たちは有機食品の消費を促進しているが、実はカナダ西部では、この要求を満たせるほど十分なヘンプ種子を供給できていない。。
「2015年には、我々の輸出額は4200万ドルから1億ドル(以上)へと倍になった」とCanadian Hemp Trade Alliance(カナダのヘンプ貿易連合)代表のRuss Crawfordは言う。
「ヘンプの成長力は素晴らしいが…現在ヘンプ食品を買っている人は、とにかくダイエット志向で、何より知識レベルが高い。彼らはヘンプの価値を知っていると同時に、有機(オーガニック)製品への理解が深く、こういった商品を進んで購入する傾向がある。」
昨年、カナダのヘンプ産業の中で最大の会社となるべく合併したManitoba Harvest Hemp Foods と Hemp Oil Canada(いずれもヘンプ食品加工会社の大手)は、過去のヘンプ種子在庫(従来型栽培品)が多く残っているため、今年は「従来型栽培ヘンプ(注:有機栽培認証が取得できる畑でない栽培)」の契約をしていない。
しかしながら、「有機栽培ヘンプ種子」の仕入れは行っている。その背景には、有機栽培ヘンプは高価であるにも関わらず、ヘンプ種子の加工者やヘンプ種子の輸出を生業とする事業者は、有機栽培で栽培している農家から種子を入手するのに苦労(=有機栽培されたヘンプ種子を買い付けることに苦労)している。
「従来栽培型ヘンプ種子の名目価値は1パウンド(=0.45kg)あたり80セントだ。」とCrawfordは言う。「オーガニックであれば1パウンドあたり1.70ドルの範囲だと聞く…。ただ、オーガニック認証品は需要に追い付いていない状況にある。」
たとえば、有機栽培栽培で1エーカーごとに500パウンド栽培したとしたならば、粗利益はエーカー単位850ドル生まれることになる。
農学的に見ると、ヘンプ種子取得のための栽培には、かなりの量の土壌養分が要されるため、それが一部の有機栽培の生産性に影響を阻む可能性がある。
「大きく育つ植物であるため、かなりの量のニトロゲンが必要だが、これが有機栽培における生産性においてポイントとなる。」Saskatoon(サスカトゥーン)を拠点とするヘンプ食品会社「Central Canada for Hemp Production Services(http://www.hempproductionservices.com/)」の事業本部長Jeff Kostuikは言う。「仮に、アルファルファ(スプラウトのこと)農地からヘンプ農地に切り替えた場合は…(ニトロゲン等が豊富にあるため)エーカー単位1,000パウンド(のヘンプ種子)を得ることができる。」
そもそも、オーガニック認証が取得できる畑で収穫したヘンプ種子は、従来型の栽培(オーガニック認証は取得できない)取れる有機のヘンプ種子と比べてもさほど変わらない(ほぼ中身は一緒)。違うものは、従来型の栽培では、除草剤(=Assure Ⅱ)が唯一登録され利用される点である。
「これは産業発展の過程において、(消費者に事業者に)教育していかねばならないことである。…実質的に従来栽培ヘンプと有機栽培ヘンプは、種子の形状においては大して違いはないということを。」
ヘンプ種子の貿易を、オーガニック製品に敏感な消費者の隙間ともいえる市場から、ほかの市場に向けて行っていくためには、カナダのヘンプ栽培は(有機栽培だけにこだわるだけでなく)栽培範囲を広め、もっと大きな市場に対応すべく進化させていくことも重要ではないか。
現在、ヘンプ種子を食品として原料として広く販売できるチャンスがある。一方、General MillsやKellogg’s などの大規模食品会社が扱えるようになるためには、適正な価格での安定した供給を行う必要がある。
「(ケロッグなどの会社にとっては)オーガニック認定書は必要ない。何故なら、朝食用シリアルや加工食品の材料に使われるためだ。」Crawfordは言う。「(大規模会社にとっては、)製品を販売推進していくにあたって、『ああ、ヘンプがもうない・・(つまり、原料が不足する)』、ことを大きく嫌っている。いまはその転機にある。つまり、オーガニック栽培のものと併せて、オーガニック認証にこだわらない栽培も継続的に行っていくことも重要ではないか。とくに、後者(大きな流通品の原料としても対応できるような供給体制)にも応えられるように充分な耕地を設けていく必要がある。(それがしいてはカナダのヘンプ食品産業を発展させることにも寄与するのではないか。)」
残念ながら、本年はヘンプ耕作地の拡大は予定されていない。オーガニック認証品ではない従来型栽培の需要が落ち込んでいるためである。さらに、昨年が予想以上に豊作だったため、2016年のヘンプ食品加工会社および海外輸出の需要に応えられるだけの十分な蓄えがある状況である。
[翻訳協力:Clarieさん]
※冒頭写真は HEMP BEACH TV さんより。
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