麻の実(ヘンプシード)は加工で七変化。 ~ヘンプ ナッツ・オイル・パウダー効用まとめ~
いまスーパーフードとして話題となっている「麻の実(ヘンプ)」。若返り食材、脳を活性化させる食品として先日よりテレビに紹介されていますね。結果として、元気に病気せずに長生きできる人生を送るために・・麻の実(ヘンプ)は大きく貢献します。
ご存じの方も多い中国南部・江西省チワン自治区の巴馬(Bama:バーマ)は世界三大長寿村の1つで、『世界で一番長生きが多い里』と国連ユネスコに認定されました。その決め手の1つは「麻の実」を常食していること。この地域は、1日45gも食べるんです。1日45gって結構な量ですよ。
大勢の100歳を超える長寿の方がゴロゴロ元気に住んでいらっしゃいます。冒頭のおばあちゃん、最高の笑顔で、いつも見るたびにどこか励まされます。
◆麻の実の加工で栄養分が変化する話。
さて、そんな麻の実は、加工(部位)によって栄養分が変わっていきます。あたり前のことですが、分かりやすく図示されている資料をhempseedprotein.euさんのサイトでお見かけしたので、少し補足してご紹介いたします。
◆麻の実(粒)
まずは、麻の実(粒・Hemp seed)。殻付きの状態です。生の状態と発芽しないように加熱した後(Toasted seeds)でも、それほど栄養分の構成は変わりません。
ご存じのとおり、七味唐辛子の黒い粒は、加熱後の麻の実ですね。発芽処理をするので黒色になっています。昔から「七味唐辛子」に入れられるのも栄養価が高いから。日本では昔から「八穀」のひとつとして食べられてきました。
麻の実(粒)の栄養価については、カロリーSlism さんの下記ページがとても分かりやすいですよ。
◆麻の実ナッツ(ヘンプシード、ヘンプナッツ)
続いて、麻の実の殻を剥いだものが麻の実ナッツ(Hulled seeds)。脂質分の高精度が増えていきます。脂質といっても、人が健康に生きていくために不可欠な必須脂肪酸を多量に含んでいるものなのでご安心なく。
必須脂肪酸の働きは?? 下記スライドをご参照ください。見ればみる程、必要に感じますでしょう?
ココでポイントとなるのは 麻の実の殻むき技術。麻の実自体は小さいですし、また、殻はとても固いもの。これをナッツを割らないよう、殻をむいて、そして、その殻を取り除くのが腕の見せ所になります。どうしても殻は固いものになってしまいます。固い殻が混じってしまうと、やわらかく、美味しいナッツの食感が悪くなってしまいます。
ちなみに、いま流通しているナッツには、一度加熱したもの(Toasted Seeds)からナッツにしたものと、非加熱の生(Hemp seed)からナッツにしたものがあります。
非加熱タイプは、フレッシュグリーンの風味で口当たりが軽く、弾力のある食感。大地を感じさせます。ローフード愛好家にも好まれますね。
加熱タイプは、カドがとれて、クリーミーな味わい。甘みもあり、ほろっと口溶けていきます。クセもなく、子供でも美味しくいただけます。
ちなみに、熱に弱い必須脂肪酸といわれますが、発芽防止のために施す加熱では栄養価の損失はないようです。単純に、加熱の有無・そして味わいの違いとして捉えてよいとのこと(メーカー談)。是非味の違いも楽しんでみてください。
◆麻の実油(麻の実オイル、ヘンプオイル)
麻の実(粒)を圧搾してできるのが麻の実油(ヘンプオイル)です。ナッツがそのままオイルとして抽出されたものになるため、この油分は必須脂肪酸(オメガ6、オメガ3、オメガ9)で80%を占める油になります。
このオイルだけをスプーン1~2杯飲めば健康にもなれる、と言われます。一度検証してみた記事がありますので、ご参考下さい。
・スプーン1杯のヘンプオイルで健康になれるのか!?必須脂肪酸量の話。
https://asafuku.net/?p=1209
冒頭で、脳を活性化させる食材とも触れましたが、これはDHA(ドコサヘキサエン酸)を含むことにも由来します。下記の記事などもご覧ください。
・ヘンプオイルでDHA?青魚で有名なDHAとαリノレン酸について
https://asafuku.net/?p=1313
◆油の絞りあと(残滓)
通常、麻の実の油は低温圧搾で行います。熱を加えずに、圧力をかけて絞り出す方式です。高温が続くと必須脂肪酸が失われてしまうからです。一気に圧力をかけると摩擦熱で高温になるので、ゆっくり時間をかけて圧力を加えて、温度を高くならないよう(一般的には60度以上にならないよう)に絞り出します。オイルを絞るのに手間暇がかかってしまうので、そう簡単に大量生産できるものではありません。
そして、低温圧搾の特徴といえるのが、絞りかすともいえる残滓(ざんし)が残る点です。ただ、これも活用できるのが麻の実です。ちなみに、英語ではPress cakeと表現されます。
この絞りかすを製粉(フライス加工:臼でひくこと)したものが一般的に「プロテイン(タンパク質)パウダー・ヘンプパウダー」と呼ばれるものになります。必須脂肪酸を多く含んだナッツ部分は搾り取られ、殻の部分が残りますので、特徴としては食物繊維・たんぱく質を多く含むようになります。
食物繊維は、言わずもがな整腸作用がありますね。整腸作用のある漢方薬(麻子仁)として昔より使われてきました。
麻の実(=麻子仁)は漢方の「麻子仁丸」という便秘処方
これはヘンプパウダー(Protein Powder)です。後述しますが、細かいふるいにかけた微粉タイプのものです。
オイルを絞った後の残滓は、さらに”ふるい”をかけていくことで、たんぱく質、食物繊維のバランスを変えることができるようです。荒い粒は「炭水化物・食物繊維」が多くなります。そして、微粉の方は「たんぱく質」を多く含むよう。ヘンプのプロテインパウダーは、この”ふるい”作業が重要なんですね。
★麻の実「たんぱく質」の凄さ★
麻の実のたんぱく質の凄さは、9種類の「必須アミノ酸」すべてが揃っている良質なたんぱく源であること。必須アミノ酸は、必須脂肪酸と同じよう、人間が健康に生きていくために必要な栄養源なのに、人自らが自分でつくりだせない栄養素です。
しかも、麻の実の「植物性タンパク質」は、お肉などの「動物性」より消化時にカラダに負担がかかりにくいのもポイント。植物性タンパク質でいわれる「大豆」より、タンパク質豊富です。
微粉末なので、より食しやすいのも嬉しいポイント。まさに『きなこ』のよう。飲み物やヨーグルトに入れても口に残りません。
◆ビタミン、ミネラル(鉄・銅・亜鉛・マグネシウム)が豊富
最後に「ビタミン、ミネラルが豊富」なことも麻の実の大きな特徴です。生命を営むために必要な「ミネラル」。これも、人自らがつくりだすことはできないので食品として摂取する必要があります。
ミネラル(鉄・銅・亜鉛・マグネシウム)が豊富なのも嬉しいですね。
◆重要なのはナッツ、オイル、パウダーすべてを取り入れて
以上いかがでしたでしょうか。部位・加工によって栄養分が変わっていくことが改めてご理解いただけましたでしょうか。麻の実(粒)は万能食材! ですが、ナッツだけ、オイルだけ、、となると、麻の実の栄養分すべてを享受していることにはなりませんね。重要なのは、オイル、ナッツ、パウダーをバランスよく日常の食生活に取り入れるること。そうすることで自然の大いなる恵=麻の実の万能な栄養分をまんべんなく摂取でき、相乗的な健康効果が出てくるものと思っております。
★麻の実食品一覧★
有機ヘンプナッツhttp://asafuku.jp/SHOP/B0003-1.html
http://asafuku.jp/SHOP/B0003-4.html
http://asafuku.jp/SHOP/B0005-1.html
http://asafuku.jp/SHOP/B0004-1.html
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