「国産大麻糸(手績み糸)」と「ヘンプ糸(紡績糸)」を比較する

先日、麻福でお世話になっております『自然療法サロン&スクールAngeli(アンジェリ)』さんと、『大麻博物館 高安館長』が共催されている『麻糸産み後継者養成講座』講座を見学させていただきました。

麻糸産み後継者養成講座

【日本の伝統技術☆麻糸産み後継者養成講座・受講者募集のお知らせ 】
~目指せ!人間国宝・日本の伝統技術の守り手になってみませんか?~

古代より日本に伝わる大麻は、天照大神の「荒御魂」と同一といわれ、神道行事においては、重要な役割を担っていた神聖な植物でした。
ですが、様々な歴史の流れにより、現在、日本で麻糸を産業レベルで産める人はわずか10名以下と言われているほど、その高貴な伝統技術が、今、空前の灯状態となっています。
そこで、日本古来の伝統を守るためにも、アンジェリでは、麻糸産みの後継者養成講座を開催しています。
講師は、栃木で大麻博物館・館長の高安淳一先生をお迎えし、セミマンツーマンで初心者でもしっかり麻糸を産むテクニックをマスターして頂くことができます。
戦前の女性は、嫁入り前のたしなみとして、誰でも身に着けていた麻糸産みの技術を、これからの日本の未来のために、新たに復活させませんか?
一度、身につければ、一生モノの技術。子育て中や副業としても将来、活躍することができます。
その為、アンジェリでは、受講生の中からプロデューした方の糸を買い取り販売する「よりひめ」プロジェクトにより、麻糸績みによる経済的自立を支援しています。
我こそは、日本古来の伝統技術の後継者になってみたい!という方は、是非ご参加お待ちしております。

■麻糸産み後継者養成講座
http://www.salon-angeli.com/archives/28.html

ここ2年前にわたって開催。今回でなんと22回目の開催とのこと。

平日にもかかわらず AM・PM2回開催で満員御礼。生徒さんの学ぼうとする姿勢が素晴らしく、講師の高安館長もそれ以上の熱心さで応え、空間は熱気に溢れていました。

アンジェリ代表の嶋さんから話を伺いますと、生徒さんが自らインターネット等で探しだして参加されているケースが多いそうです。知人の紹介が大部分かと想像していただけに素晴らしいです。時代の変化を感じざるを得ません。

ちなみに、高度な技術を習得された方は、そのつくった製品を「よりひめ」ブランドで販売できます。伝統を守るとともに、糸づくりに携わることで仕事にもつなげるような配慮も素晴らしいです。

よりひめプロジェクト

さらに、技術を学び高安館長より講師認定を受けると、それぞれが全国各地で教室を開催するようなことにもつながっているようです。いまは、埼玉・神戸・長野で予定されているよう。

すごいですね。麻糸は益々もって大きく拡がり・つながっているようです。

 

●「国産大麻」と「ヘンプ」

ところで、「大麻」と「ヘンプ」の違いとは何でしょうか? 通常、Cannabis sativa L.(カンナビス・サティヴァ・エル)という種の植物を「大麻草」、訳すると「ヘンプ(Hemp)」と呼びます。

ただ、麻福では「ヘンプ」というと、カンナビスサティバエル(=大麻草)の中でも、『産業用(繊維用)品種=つまり、花舗や葉に薬用成分がない品種』 のことを『ヘンプ』と定義づけて話すことが多いです。「大麻草」は、植物全体を表すので、繊維用だけでなく薬用も含むもっと大きな概念で捉えています。

今回、高安館長の説明を伺っていると、大麻とヘンプの違いについて、「大麻」・・国産、「ヘンプ」・・海外 という分類で説明されています。なるほど、こういう分け方もあるなと思いました。

糸でみると、国産精麻からつくった糸が『大麻糸(以下、国産大麻糸)』で、海外原料で機械紡績された糸が『ヘンプ糸』という訳です。

どちらが「良い・悪い」ではないのですが、折角なので、少し原料と作り方の面から比較してみたいと思います。

 

●まず「原料」

当たり前ですが、両者ともヘンプ繊維が原料になります。

A.「国産大麻糸」の原料

いわゆる「精麻」です。丁寧に仕立てあげられて、黄金に光り輝きます。この綺麗に光り輝く「精麻」は日本の誇り。海外では、ここまでしません。

国産(野州)精麻

「麻の種」FACEBOOKさんより紹介

国産(野州)大麻

 

(参考)
「富岡製糸場」だけでなく「日本麻文化」も世界遺産に!?
※美しい精麻をつくる工程に関する映像を紹介しております。

 

B.「ヘンプ糸」の原料

農家では、収穫したヘンプから繊維を剥ぎ、下記のような形状にした上で工場に納品されます。

ヘンプ長繊維

 

●糸づくりの工程

A.「国産大麻糸」

手うみ糸の技術は非常に難しいもの。ただ、昔は種まきから機織りまで1人の女性の手仕事でやっていたそうです(後述の参考資料参照)。いま日本で、布にできるような麻糸をつくれる女性はたった7人といわれています。しかも、全員が80歳以上。

『手うみ講座』は、この技術を後世に伝えるべく開催されています。

この「種まき」から「機織り」までの工程について、素晴らしき資料があるので紹介いたします。

木曽の麻衣(開田村) ─麻織物の工程─ (開田村教育委員会)

「木曽の麻衣(開田村)―麻織物の工程-」開田村教育委員会
※栽培から織りまで、写真とともに綴った素晴らしい公開資料(開田高原観光案内所Webサイトより。是非一読ください!

【(ご関心ある方)下記記事も是非いま一度ご一読を!】
「麻織り(麻布)」に託された重圧とは?生活するための麻。

 

B.ヘンプ糸

工場に納品されたヘンプ繊維(前項参照)を、加工してスライバーを作成しヘンプ糸にします。基本的には機械生産になります。

ヘンプ紡績の模様(繊維の天日干し)

ヘンプ紡績の模様(スライバー作りの工程)

ヘンプ紡績の模様(ヘンプ スライバー)

(参考)
ヘンプ糸づくりの決め手となる『ヘンプ・スライバー』
※糸の紡績工程について上記記事も参考ください。

できあがったヘンプ糸

 

●製品

国産大麻糸が製品となると何が違うのでしょうか。

工程を知っていると、大麻糸でつくられた製品には、使う前から素晴らしいものと思ってしまうので、もはや客観的に感じることはできません。(目隠しテストをしないと、その客観的な違いは分かりませんが、野暮すぎるのでできません)

100年以上の前から使われていた大麻衣料品に触ると、なんともいえぬ「暖かさ」に包まれる感じがしました。『天使の衣』というのがあれば、一般的にイメージする絹ではなく、この国産大麻布のことを指すのではないかと言うくらい。使いこまれて年数たった大麻布は、しなやかで、ただ、やわらかで、ぬくもりが深々と伝わってくる感じです。

日本人のDNAに触れる、というんでしょうか。陳腐な表現で申し訳ありませんが、ずっとずっと触れていたくなります。

 

●今後

そんな素晴らしい「大麻布」ですが、機械紡績・海外原料である「ヘンプ布」と較べて、どう客観的なメリットがあるのか? 気になってしまいます。”感覚”だけではない何かを見い出せないものかと。

具体的に大麻糸とヘンプ糸の違いが証明できれば、手間暇かける大麻糸づくりに、伝統を守るだけでない新たな未来が待っているかもしれません。

そこで、何となく効果がありそうな「繊維の拡散性(吸汗速乾性につながる)」について、比較検討してみるよう進めてみることを高安館長と話をいたしました。

また、大麻糸・ヘンプ糸の違いについて、何か客観的に論じされた文献等をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご教示いただけますと幸いです。


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