ヘンプ糸づくりの決め手となる『ヘンプ・スライバー』

ダイアモンドの原石=ヘンプ』でご紹介しましたヘンプ原料。詳細部位解説・第1弾として、『スライバー』を取り上げます。

『スライバー』・・・・聞いたことがありますか? 冒頭の写真のような微細な繊維が束状になっています。このスライバーから「糸」ができあがります。

 

●糸をつくる(紡績)工程とは

主に衣類用途で用いる糸は、この「スライバー」という繊維の束状のものをつくります。このスライバーを撚(よ)ることによって糸にします。

この言葉だけでは簡単にみえますが、この工程だけでも幾つもの工程があります。大垣扶桑紡績株式会社様のページに詳しく紹介されています。

■紡績工程(綾部紡績株式会社様):
http://www.ogakifuso.co.jp/product/pro_02.html

紡績工程(綾部紡績株式会社 Webサイトより:分りやすいので是非ご覧ください。)

 

●そもそも、撚る(よる)って?

「撚る」とは、ねじりあわせることを言います。「腕によりをかける」「よりを戻す」という言葉は、この「糸を撚る」ことを語源として出てきた言葉だそうです。(日本撚糸工業組合連合会

撚り方によって、また生地の織り立て、あるいは、製品化の仕方によって無限の表現が可能となります。非常に奥が深いのが撚糸の世界です。

 

●スライバーがキモ

このスライバーが良い糸をつくるための大きなポイントとなります。収穫したヘンプ植物から辿ると、このスライバーにするまでにも何十工程とあります。また、良いスライバーをつくるためにも収穫した原料の形態(コンディション)にも充分に留意する必要があります。

収穫した茎からスライバーになるのは10%程度といわれています(スライバーから糸になるまででも、スライバーの半分くらいはロス=繊維クズとなります。)。機械生産でもあるので、ヘンプ原料が豊富でないと工場も廻っていきません。

日本でも、ヘンプスライバーを輸入して、ヘンプ糸をつくっている工場はありますが、これも中国にスライバーがあるからこそ実現できる話です。スライバーから日本でつくることは不可能とまでは言いたくありませんが、麻栽培ができない現状において、遙か未来のことになりそうです。(注意:良いスライバーこそ命、なため、他紡績工場にスライバーを提供しないヘンプ糸会社もあります。)

また、中国以外のヘンプ糸として、たとえば、イタリアのヘンプ糸が日本で流通していることが多いようですが、これも中国産スライバーが原料なものが多いのではないかと想像します。中国スライバーをイタリアに輸入して糸にしたものを日本に輸入しているのではないかと思います。(実際にイタリアのヘンプ糸工場の人に直接聞いたわけではないので、あくまでも推定とさせていただきます。)

 

●良いスライバーの条件

参考までに、良いスライバーの条件として、前に紡績工場の方に聞いた内容を(かいつまんでですが)紹介します。

  • 不純物がないこと。
  • 茎の先端部分の繊維を使用しないこと。
  • 太い繊維をしっかり取り除くこと。
  • 短繊維のものは含めないこと。(長繊維でつくった方がよい糸ができます)

など。ヘンプ紡績の難しさは、この良いスライバーづくりにあります。

 

●糸以外の利用法

さて、そんな「スライバー」ですが、糸にする以外にも、いくつか活用方法があります。

A.左官材の麻すさ

国宝級の左官職人さんは、このスライバーを細かく刻んで麻すさにしている、という話を伺ったことがあります。

B.手漉きの原料

手漉き和紙の材料に。これもスライバーをカットしたものを和紙に漉き込まれた方がいらっしゃいます。かなり贅沢ですね。

C..強化プラスチックの原料

こちらは研究ラボでの話でしたが、細かく切断した麻をプラスチック樹脂に入れて繊維強化プラスチックの研究開発に役立たれました。

D.手紡ぎ糸

これは糸といえば糸なのですが、機械でつくる糸(機械紡績糸)ではなくて、手でよってつくる手紡ぎ糸です。若干硬いみたいですが、可能だそうです。前に、ひつじや様にご検証いただいたことがあります。ひつじ屋様のコメントは以下。

気合を入れて細く細くレース糸に紡ぐと、エッジが綺麗に出る糸になります。太めに紡いで織った後、砧打ちするとまた風合いが変わってきます。

 

●モニター募集&テスト販売

このスライバーの活用方法にピンときた方がいらっしゃいましたら、是非お試しください。ただ、一般的な品質のヘンプスライバーになります。(あくまでも機械紡績糸以外の用途でご検討ください。)

ご希望の用途と併せてご連絡ください。独断と偏見になりますが、若干名にお送りいたします。

販売するならば 1m単位(約10g)150円 でお裾分け。

大量注文ご希望の場合はお問い合わせください。。

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コメント

  • コメント ( 3 )

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  1. 笠松 森

    こんにちわ。はじめまして、友人のフェイスブックでasafukuさんの麻のスライバーの記事を拝見しました。
    私たちは羊毛をつかった帽子作りをしています。
    昨年の冬より麻のスライバーを羊毛に混ぜて帽子を作成したところとてもよい感触の帽子を作ることができました。
    またスライバーの種類により、違った趣の生地になることもわかりました。
    麻福さまのスライバーを是非試してみたいと思っています。お返事いただけると幸いです。
    ぼうしやねっこぽっこ

    笠松

  2. kitamutak

    笠松様

    お問い合わせ、ありがとうございます。 羊毛とのコラボ、いいですね。 
    羊毛だとスライバーニットなんかも人気ですし、いい感じに合いそうですね。 是非ご検討いただきたいです。
    後ほど個別に連絡させていただきます。よろしくおねがいします。

  3. 小林

    払子を手作りで作りたいので麻のスライバー15m欲しいです。よろしくお願いします。