ヘンプで空を飛ぶ ~ヘンプ飛行機プロジェクトの話~

今月のニュースで大変興味深かったのが「ヘンプ飛行機」。なんとも夢が拡がる話に興味津々ですよね。改めてご紹介します。

■「ヘンプ飛行機(The Hemp Plane)」概要

カナダ・オンタリオ州のデレク・ケセック氏(Mr.Derek Kesek)は、ヘンプ飛行機(The Hemp Plane)の開発を進めていらっしゃいます。機体、座席、枕、そして、燃料 など少なくとも75%をヘンプ由来にするとのこと。

地上資源で空を飛べる日がもうそこまで来ているとの話にワクワクしますよね。

Derek Kesek氏:

 

■The Hemp Plane..その意義

このプロジェクトのポイントをご紹介。

1.軽量化

飛行機体の永遠の課題は、強度を保ちながら軽量化を図ること。軽量化は燃費向上にも大きく貢献します。プラスチックを強靭なヘンプ繊維で包み込むことで、軽量化を図ります。

ここでの使われ方は「繊維強化プラスチック」と呼ばれまして、BMW i3(電気自動車)、ベンツ、ロータス・エリーゼ など、自動車でヘンプを用いられているのと同じ構造です。従来ガラス繊維が使われてきましたが、ヘンプ繊維はガラス繊維を代用できるだけの特性がある、といわれています。

この用途では日本企業が技術開発を先導している「炭素繊維(さすがにヘンプ繊維より性能上回るかと思います)」が着目視されていますが、こちらは大型ジェット機や軍用機などから採用されている様子。小型飛行機(セスナ)であれば、価格や求められる要求においてはヘンプ繊維でやる意義が充分ありそうです。

bmw-electric-hemp-3-07-31 BMW i3シリーズはヘンプをドアパネル・内装材に利用(画像転載元:BMW’s New Electric Car Sheds Weight With Hemp

ロータスエリーゼのヘンプカー(何度みても格好いいです)

2.リサイクル

ガラス繊維は、しばしば廃棄を問題視されます。分別は非常に困難で、ほとんどの場合埋め立てるしか方法はないようです。天然素材由来のものであれば、廃棄地の問題はクリアできます。

(参考)新『ローマの休日』はヘンプスクーターで?! (空想です)

3.燃料

飛行機はその燃料として石油を大量に消費します。地上資源由来であるヘンプオイルで代用できるならば人類にとっても大きな一歩です。バイオマス燃料の作り方にもいろいろあり、今回のプロジェクトで用いるヘンプ燃料がどのような生成方法で取り出したものかは分りえませんでしたが、とにかく、バイオマス燃料の素材としてヘンプが改めて注目視されることは意義あることに思います。

4.クラウドファンディング

いま、その事業資金として50万ドル(6,000万円)の調達を目指しているようです。これを、クラウドファンディングの形式で集めていらっしゃいます。個人ならば1ドルから寄付できるよう。寄付した方は 機体に名前をプリントしてくれる、とのこと。

先日、麻織機に関するクラウドファンディング(シャトル織機に想いを馳せて)をご紹介しましたが、この資金調達は今後益々もって重要なものになりそうです。

 

■夢あふれるヘンプ素材

夢あふれる使い方としては、前にスーパーキャパシタの話を紹介させていただきました。

・ヘンプがスーパー蓄電装置に!?「ヘンプ炭素シート」がつなぐ明るい未来
https://asafuku.net/?p=1741

『ダイヤモンドの原石』ともいえるヘンプ。まだまだその輝きを引き出す方法はありそうです。

【参考】
Hempearth(http://hempearth.net/the-hemp-plane/)
World’s first hemp airplane under construction

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