「大凧(おおだこ)」の陰に「大麻(おおあさ)」あり。大凧揚げ合戦」@浜松まつり

ゴールデンウィーク期間は、長年続く麻イベントが多いですね。

先日ご紹介した『神戸(ごうど)の火祭り』に続きまして、本日は「浜松まつり(静岡県浜松市)」における「凧揚げ合戦」です。本日3日から5日まで開催されます。

◆凧揚げ合戦 とは

まずは見ていただくのが一番?!下記動画をご覧ください。

◎浜松まつり 公式ウェブサイト|浜松まつり組織委員会
http://hamamatsu-daisuki.net/matsuri/

なんと174もの町が腕によりをかけて用意した「大凧」が一同に揚げられます。大きいものはなんと10畳にもなるそう。合戦用には4帖~6帖が多い(1帖は1.25㎡)そうです。相当デカイです。

初子の誕生を祝う「初凧」。そして、子供たちの健やかな成長を願って、地域みんなで祝いあう目的でこどもの成長を願うお祭りです。ちなみに、神社仏閣とは関係のない”市民のまつり”だそうです。[参照ページ:浜松まつりの歴史

「初凧」を揚げたあとは、「糸きり合戦」が始まります。糸が切れるまで、糸を出したり引いたり、他町の凧糸とこすり合わせます。時には数十本が絡み合うので、糸が焼けた白煙も立ち上がったり、焦げたにおいも漂うそう。

 

◆この大凧糸の素材は?

この大凧の糸は何でしょうか?? そうヘンプ(大麻)製です。

HamaZo.tvさんのブログよりご紹介させていただきます。

浜松まつり 凧の揚げ糸は麻

カテゴリー │南浜名湖.com編集部より

五月の三日から五日に開催された浜松まつりと言えば凧揚げ、3メートル以上もある大凧を舞上げる揚げ糸をご覧になったことがあるでしょうか。

これが揚げ糸です。皐月の大空に舞う凧を揚げる糸は意外なほど細いことに驚かれます。

切れた糸をほぐせばこのように麻の繊維がしっかりと撚られています。
凧揚げに参加する全町が凧揚げ本部が一括で斡旋する同じ糸を使用し、同じ太さ同じ強度の糸で凧を揚げ競っています。

この糸を繋ぐのが糸繋ぎ、繊維にほぐした糸を繋ぎ同じ太さまでにする技術も凧揚げの伝承技術のひとつです。

同じ揚げ糸で揚げ競う凧揚げ、町内に誕生した初子さまの家紋と名を入れ町内の大きな凧印が描かれた凧揚げは町内の祝いの心とプライド、技術やがんばりなど、さまざまな要素を楽しめます。

[引用:http://shlakers.hamazo.tv/e6096651.html ]

これだけの大凧なのに以外と細い印象(約5mm)ですよね。これも、天然繊維イチともいえる強度、また長い繊維長を誇るヘンプ繊維(精麻)が成せる技。もちろん、糸づくりの高い技術は当然に必要ですが!

戦後は長野の麻を用いてきたそうですが供給ができなくなり、現在は栃木麻(野州麻)を用いているそうです。(参考:浜松凧揚祭研究会

これは想像ですが、長野の麻が入手できなくなったとき、きっと、ほかの麻(縄素材にはジュート麻やマニラ麻)、あるいは海外産も検討されたのではないかと思います。でも、他の素材では、この大凧の躍動感が表現できなかったのでしょう。。

実際に凧合戦に参加されている方の記事をお見かけしたのでご紹介します。特に、「糸繋ぎ」「合戦」のパートは読むだけで興奮してきます。

一、糸繋ぎ

いくら丈夫な糸でも強さには限界がある。
合戦に負けた糸、緊張の果てにはち切れた糸、繊維と繊維の合間が抜けた糸……
だからと言ってまだ終わったわけではない。合戦に負けてぶち切れた糸はともかく、手元やかなり近いところで切れた部分、また弱ってきた部分は即座にその場で補修をする。
これが糸繋ぎ(いとつなぎ)だ。
糸繋ぎは麻の繊維が鱗状で摩擦力が高いことを利用して切れた2本の糸を復活させる。しっかりと絡み合った2本の糸の繊維は、「天下麻の如く乱れ」のたとえの如く、複雑に絡み合い、抜けなくなる。繋ぎ方にも各町秘伝があり、滅多には余所の町に広まらない。
合戦の修羅場でものの5分もせずに糸が元通りに復活する。まさしく浜松凧揚祭の「伝統」であり「技術」だ。
糸継ぎ実演1
糸繋ぎの最初の段階
やってる最中はヒ・ミ・ツ
糸継ぎ実演2
普通の状態の糸(下)と継いだ後の糸(上)
だいたいこの状態ならまず糸が抜けることはない。

一、合戦

浜松凧の醍醐味は、切り合いにある。とにかく摩擦だけで切ってしまうのだから、いかに風を知り、また自在に凧を操れるかが勝負の分かれ目である。
糸の切り合いの基本的な作戦は二通り。

・乗せ掛け
糸を送っていない凧の糸の上で糸をどんどん送る。すると凧は風に乗って遠くへ行くが、糸は自分自身の重みで緩やかに相手の糸の上へ乗っかりながら送られていく。
糸が乗ったところには大きな摩擦が生まれ、ピンポイントで相手の糸をすり減らす。

麻の焼け焦げるにおい。
白煙。
地上にいるわれわれにも聞こえてくる「バツン」という音
「やった、切ったぞ。」喚声が上がる。
タチ凧の技術を知り尽くした、職人級の仕事だ。

・吊上げ(つりあげ)
今度は相手の糸の下にもぐりこむ。
「ん?あの凧糸目がおかしいんじゃないの?風に対して横向きで飛んでるじゃん。」
そう思っている相手の組の糸先を驚かすようにいきなり糸を引く。
凧は風に対してノシて行き、相手の糸を吊り上げる。
これだけでも相手の凧は揚力を失い、緩やかに下りてしまうが、それだけで容赦なんてしない。
相手の糸は折れ曲がって弱くなり、十分に出した糸をガンガン引っ張り、やはり摩擦力で相手の糸を切ってしまう。
力はかかるが、吊り上げが成功したときは、「うまく行ったぞ」という達成感が大きい。

今では、会場が手狭になった(一箇所でたくさんの糸が絡み合ってしまう)ためと、「宣戦布告」をする必要性のため、以上の二つの方法を上手に併用して行っている。

http://plaza.across.or.jp/~shijo-t/toujitu.html より(ぜひお読みください)

浜松まつりの「大凧合戦」。ご都合つく方は是非ご覧くださいませ。「日本の麻」がないと実現できない町民のお祭りです。

 

■メールで購読されませんか?
以下にメールアドレスをご登録ください。更新通知をお送りいたします。





関連記事一覧

コメント

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。