大麻の『しめ縄』で良年を迎える

年末の暮れになってしまいましたが、このたび麻福でも「しめ縄」をご用意させていただくことになりました。

栃木県那須市の麻農家・渡辺さんがつくった精麻を用いて、京都で長年にわたり神仏仏閣麻製品を手掛ける職人・山川さんにつくっていただきました。気品のある美しさで、そして、静謐な空間を醸し出す至極の品です。

お正月時期だけでなく、ぜひ年間通してお飾りください。

 

◆「しめ縄」とは。由来と意味・目的。

しめ縄(注連縄)の由来は、古く、日本神話から。太陽の神である天照大神が天の岩戸から出た際に、再び岩戸に戻らない様、しめ縄で戸を塞いだと記されています。

しめ縄は、神様が宿る場所に飾り、神域と現世との境界線となります。さらに、しめ縄は、不浄なものや災いをもたらすものがはいらないように結界を張る意味ももちます。

まとめると、家でしめ縄を飾る目的は以下のようになるかと思います。

・神様を迎えるふさわがしい場所であることを示す

・災厄をもたらすものを食い止める結界・縄張りの役割。魔除け。

・神域の神様が外に出て行かないようにする

そして、その素材は、稲作信仰と関連深く、稲藁、または、麻(大麻)でした。

 

◆今回ご提供する「しめ縄」について

今回ご用意したしめ縄のポイントは以下のとおりです。

・素材は国産麻(大麻)の一級品

・長年にわたり神社仏閣麻製品を手がけてきた職人の手仕事

そして、今までにないしめ縄の形状にすることにこだわりました。しめ縄の形には様々あります[参考ページ]。各地域、各家のしきたりによって多様です。あえて今までにない形状とすることで、逆に受け入れていただきやすくなるのでは、と考えました。新時代に向けたチャレンジでもあります。

では写真とともに詳細ご説明します。

大麻 しめ縄

全体像(しめ縄を茅の輪状に巻きました。房部分は櫛で丁寧に精麻をとぎました。精麻がさらに輝きを放っています)

大麻 しめ縄

縄部分の拡大写真(別角度から)

麻 大麻 しめ縄

縄部分の拡大写真(太い部分は約4cm。細い部分で約1cm。4cmから1cmに滑らかに細くしていくのが職人技です。)

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精麻の房

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精麻の房

しめ縄の端(茅の輪状に交差させて、同じく精麻の紐で結びました)

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国産精麻の紐

上からみた全体写真

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斜めからみた全体写真

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斜めからみた全体写真

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サイズ感(最大突出サイズ縦40cm×幅33cm:紐を除く。写真では角2封筒に置いています。重量は約120g。)

 

◆栃木県 麻農家(豊穣庵) 渡辺さん

今回の素材の麻は栃木県那須の渡辺さんご夫婦がつくられた精麻です。渡辺さんご夫婦はもともと東日本大震災をきっかけに2013年より麻の栽培を開始。ご夫婦にて取り組まれて今年で3年目になります。

渡辺さんご夫妻の詳細経緯について、是非下記記事をお読みください。

◎新たな麻栽培の試み(農業ビジネス)
http://agri-biz.jp/item/detail/7908

渡辺さんは「豊穣庵」という名前を掲げ、学生や社会人の農業体験生の受け入れや予約制の農家レストランもされており、週末ともなると全国からくる人々でにぎわいます。著者も何度か訪問させていただいておりますが、とても素敵な空間です。畑はもちろんですが、その加工場、食堂、、、お二人の柔らかな空気で包まれ、とても清々しい場所です。

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豊穣庵 渡辺和資さん と よし江さん

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渡辺さんの麻畑(那須の木々とのコントラストが美しいです)

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渡辺さんの麻畑(晴れ渡る空とのコントラストも最高です)

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麻の加工場

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渡辺さんの精麻

ご存知のとおり、麻の栽培 と 麻の加工(精麻づくり) は、どちらかが欠けてもいい精麻はつくれません。両方が揃ってはじめて良い精麻になります。いずれも習得まで何年もかかる作業で一筋縄でいかない大きなテーマ。ご夫婦二人三脚で試行錯誤しながら最高の精麻づくりに取り組んでいらっしゃいます。

そんな模様を映像に収められていらっしゃいますので、是非ご覧ください。

麻の皮ひき作業を映像にしました。今、那須では麻の皮ひきが盛んです。じいさんは麻の皮をはぎ、ばあさんはそのはぎとった皮をひき、精麻に仕上げます。

Posted by 渡辺 和資 on 2015年12月5日

※上記表示されていない場合は Facebookの当該ページよりご覧ください。

渡辺さんの畑でもうひとつ素敵なのは「お米」。稲作信仰で欠かせぬ「米」と「麻」。この両者を一度に体験できるのは渡辺さんの畑くらいではないでしょうか。

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渡辺さんの畑風景(右奥が麻畑、手前は米畑です)

渡辺さんは、この収穫後の麻を堆肥にして育てたお米「麻の舞」です。いつもカマドで炊いてくれるのですが、これがまた美味しいのです。

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かまど で炊く『麻の舞』

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光り輝く『麻の舞』おにぎり

なお、「麻の舞」は、精麻とともに伊勢神宮(内宮神楽殿)に毎年奉納されています。

伊勢神宮奉納米『麻の舞』(2015年3月)

伊勢神宮に奉納された「精麻」

栽培をお手伝いいただける方を募集されていらっしゃいます。ご関心ある方はお問合せくださいませ。

◎豊穣庵ブログ
http://blog.livedoor.jp/hojoan/

 

*麻加工の職人 京都・山川

一方、この渡辺さんの精麻を用いて、しめ縄に加工いただいたのが(株)山川の山川さんです。京都で120年にわたり神仏仏閣麻製品の製造を手がけていらっしゃいます。あの『ミニ鈴緒』を制作されたのも山川さんです。

◆ミニ『鈴緒』からみる日本伝統と職人魂
https://asafuku.net/?p=2815

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神仏仏閣麻製品にとって麻は命。海外産も良い原料はありますが、生産者の方々が丁寧に育んだ国産大麻を原材料とすることには強いこだわりをもっていらっしゃいます。

ただ年々減少する麻畑に危機感をよせ、国産大麻の継承と発展の一助になりたいとの思いから、たとえば本年3月には、三重県の一般社団法人『伊勢麻』振興協会Facebookページ]の顧問にも就任されています。当協会は、三重県中南勢地域、そして、日本各地での麻栽培 / 麻産業創出に向けた取り組みを目論んでおります。麻福でもご一緒しています。こちらもご支援お願いします。

京都の山川さんが渡辺さんの麻畑に訪問されたのが今年7月。その後、渡辺さんの精麻を使って作品を作りはじめていらっしゃいます。

職人による麻加工技術の模様(株式会社山川)

職人による麻加工技術の模様(株式会社山川)

作り手の顔が見える素材(原料)は作品づくりの上でも重要。自然と情熱が注ぎ込まれるようです。

◎麻のしめ縄 商品ページ
http://asafuku.jp/SHOP/D0030-1.html

是非この至極の一品で年神様とともに、良いお年をお迎えください。

 

 

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