江戸時代のナノ・テクノロジー『ベンガラ(べんがら)』顔料とヘンプ

麻福では「べんがら(ベンガラ)」染めの商品を多数展開しております。

「べんがら染め」については..以下の記事をご覧ください。
https://asafuku.net/?p=2462

べんがら染め

◆ベンガラは実は「染料」でなく「顔料」

糸などの繊維品に色を染める材料には、大きく2種類あります。それが「顔料」と「染料」です。”べんがら”は前者の顔料になります。

「べんがら」は非常に微細な粒子状になっております。これを生地に手で刷り込むようにして染めています。

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ちなみに「べんがら」が多量につくりはじめた産地が備中・吹屋(現・岡山県成羽町)で1704 年頃でした。これが色が鮮やかで、様々な用途(磁器、漆器、建築材の顔料)として使われ始めたのが『吹屋べんがら』でした。それは明治、大正、昭和と続きます。

平均の大きさは約50nm(ナノメートル)=約0.05μm(マイクロメートル)です。江戸時代に開発された『吹屋べんがら』は、ローテクどころか、現在注目されているナノテクノロジーに属する技術だったといえます。

よくご紹介するヘンプ繊維の拡大図。この目盛りが2マイクロメートルですから、べんがら粒子の約0.05μmの小ささが分かりますでしょうか。天然繊維で最も多孔質(微細な穴が空いていること)なヘンプ繊維の穴にも入るくらいの小ささなのです。

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このヘンプ繊維の微細な穴に丁寧に入り込むよう、摺り込むよう手染めしています。

※参考:ベンガラの歴史と材料科学的研究(岡山大学 大学院 教授 高田 潤 著)風土社「チルチンびと」(2003 年冬季号:No.23,84-85 ページ)掲載

◆ナノ粒子とはいえ顔料の限界。手染めの限界。

ただし、”べんがら”超微細なナノ粒子とはいえ、顔料・粒状のものです。

手で擦りこんで水洗いする工程を幾度か繰り返しますが、最後は水につけても色が落ちないところまで水洗いをしますが、どうしても顔料が玉となってしまう場合があります。

これは手作業、また顔料染めである以上、どうしようもないものと考え検品・梱包のタイミングで通常取り除いております。

こんな感じの斑点となることが多いです。先日「訳アリコーナー」で販売した「ゆったーり(レギュラー丈5本指ソックス)」「スニーカーフィッター(ショート丈5本指ソックス)」になります。

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微細な斑点があるのが分かりますでしょうか。顔料が玉となって残ってしまった事象です。

ただ、製品や安全性として何の問題もございません。なので、こういうのはある程度ストックしておいて、訳あり品として販売させていただいております。

 

◆ヘンプシルクストールの訳あり品。。

このたび新たに用意したべんがら訳あり品が「ヘンプシルクストール」です。希少なヘンプシルク生地を用いたストール。

続いてはヘンプシルクのストールを訳あり販売しようと思います。

ヘンプシルクストール

ヘンプとシルクのツイル織り生地は至極な風合い。べんがらは紫外線カットの効果もありますし、日光による色あせもありませんので、ストールに最適です。

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カシミヤやウールは冬の定番ではありますが、シルクだって冬にも温かい素材です。ヘンプとのツイル生地は生地厚もできるのでさらに暖かです。ちょっと首元にいかがでしょうか。

これくらいの染めムラになります。是非使っていただけませんか。

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◆ヘンプシルクストール 訳あり品 40%OFF
http://asafuku.jp/SHOP/G-A0021-2.html

 

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