徳川家康公と大麻 ~白麻・奈良晒~

現在(2015/8/1~9/13)、徳川美術館では『没後400年 徳川家康 天下人の遺産』展が開催されております。

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徳川家康の遺産は、江戸時代を通じて尾張徳川家第一の什宝として大切に守り伝えられました。刀剣・武具・茶の湯道具・衣類・書籍など、多岐にわたる遺産は戦国武将の中でも群を抜く質・量を誇っています。徳川家康没後400年を記念し、尾張徳川家に伝来した家康の遺産「駿府御分物」「駿河御譲本」を通して、家康の生涯をたどります。

数多くの遺品が展示されていますが、そのひとつに「白麻地下帯(ふんどし)※しろあさじしたおび」があります。

07▶徳川美術館のWebサイトにて画像をご覧ください

Webサイトによると、

麻地浴衣33領とともに伝えられた下帯(ふんどし)用の白麻布である。長さは二筋分以上の8.6メートルあるため、下帯に仕立てるための布地と思われます。

【江戸時代 17世紀 徳川家康(駿府御分物)着用】

とあります。

「白麻」とは、その名の通り白く晒した麻布。ただ、当時の晒す方法といえば、手績み(人の手で大麻の繊維を細かく裂き糸をつくる)の糸を、灰汁で煮て、洗って、砧(きぬた)で叩いて、天日に干したり手間暇をかけることによって実現するものでした。[ただ、後述する奈良晒など、手績みを行う前から晒工程が始まっています。]

大変手間がかかりますが、逆に、現在の漂白方法と比べて、人と自然作用で仕立てられた晒生地は、素晴らしい風合いを醸し出します。顕微鏡でみると、素材の不純物がとれて、純粋な繊維分(ここでは大麻の繊維)が整列して並んでいるような状態になっているようです。

江戸時代は、日本の麻布は技術も生産量も最盛期といっていい時代。細い手績み糸から手間暇かけて晒された最上級の麻布は、まさに『シルク』ともいえそうな肌触りです。ザラザラ感なく、滑らかで、サラッと肌に馴染んでいきます。

 

◆日本の大麻布を発展させた徳川家康

徳川家康公といえば、250年以上にわたる長期安定政権となった江戸(徳川)幕府(1603年~)の礎を築き上げた人物ですが、慶長16年(1611)には、大麻を用いた伝統的な上布である「奈良晒」に「南都改」の朱印を与え、徳川幕府の御用達品として認定、産業の発展を遂げていった歴史があります(『近世における奈良晒の生産販売組織(PDF)』より)。名前に”晒”があるくらい晒技術にも優れていた奈良晒。「白麻」というのは、その技術と美しさを言い表す言葉だったんではないかと想像します。

 

◆日本3大上布『奈良晒』

江戸時代初期の奈良晒といえば「大麻」。そんな奈良晒のモノヅクリを分りやすく書いた記事がありますので、ご紹介します。ご存じの方も是非改めてご一読を。

▶大麻の伝統文化と奈良晒(ならざらし)

この伝統の奈良晒を復活させるべく活動されている方も大勢いらっしゃいます。NPO日本麻協会もそのひとつ。奈良晒の里である月ヶ瀬に本部があります。この秋には大規模な麻イベントも企画されているようですので皆さまからもご支援よろしくお願いします。6/21のプレ祭は素晴らしいイベントでした!

▶NPO法人日本麻協会 Facebookページ

 

◆(さいごに)麻福の大麻ふんどしも..

さいごに宣伝。手績み、奈良晒ではありませんが、麻福の大麻ふんどしもどうぞ。ここ最近、天然藍染めを施した「ヘンプ100%の麻ふんどし」が大変に人気です。

●天然藍染め・ヘンプ(大麻)ふんどし
http://asafuku.jp/SHOP/A0031-3.html

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女性には、ショーツスタイルのふんどし『ふんどしパンツ』が人気。こちらは、藍染に加えて、べんがら染めが最近加わりました。

●天然藍染め ふんどしパンツ
http://asafuku.jp/SHOP/A0128-1.html

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 ●天然べんがら染め ふんどしパンツ
http://asafuku.jp/SHOP/A0128.html

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徳川美術館(名古屋)にて『徳川家康 天下人の遺産展』が実施中。徳川家康は、日本の大麻布産業を大きく発展させるキッカケをつくり、自らも白麻地下帯(ふんどし)を愛用しました。 → https://asafuku.net/?p=2893

Posted by Asafuku(麻福) on 2015年8月19日

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