『からむしと麻』上映。麻糸づくりの原点をたどる【麻糸博覧会】
3/30(金)~4/1(日)『麻糸博覧会』でも上映します。
詳細は麻糸博覧会Webサイトにて。
http://asaito.org/
『麻糸博覧会』・・多くの反響をいただき、まことにありがとうございます。開催までヒートアップしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
★麻糸博覧会(プレ開催)Webサイト
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◆『からむしと麻』上映します。
衣の原点、麻糸の原点を知るため、手づくり(手績み)の麻糸づくりに関するドキュメント映像の上映会を実施します。民族文化映像所(通称:民映研)が手がけた希少な作品です。
一般販売されてる作品でないため普段なかなか観ることができない作品ですが、”共同鑑賞会”のかたちをとることでこのたび作品を拝借し、上映させていただけることになりました。
上映の日程は以下のとおりです。申し込み等は本ページ最後をご覧ください。
・12/1(金) 15:00~16:00
・12/2(土) 16:00~17:00
※他イベントの兼ね合いで、少々遅れる場合があります。
◆からむしと麻(1988年製作)について
福島県昭和村の麻糸づくりを記録した映像になります。同地域は、からむし(苧麻、ラミー)の一大産地で、また、麻(大麻、ヘンプ)の糸でも著名な産地です。
この映画の見どころは、「からむし」と「麻(大麻、ヘンプ)」の”栽培”から、”繊維採取”・”糸うみ前の繊維準備加工”・”糸づくり”・”布づくり” に至る全工程が比較するように掴める点にあります。
とくに、「大麻」の糸作りは、「からむし」と比べて非常に手間がかかることが見て取れます。戦後、とくに「大麻」は流通量が減っていったわけですが、それは、需要減・栽培面積の減少等にも理由はありますが、ものづくりの大変さ にも起因があると考えざるを得ない、ことも大きかったと思います。
『麻糸』に関心ある方は必見の映像です。まだ観たことがない方も、また、一度観た方も、いかがでしょうか。
■作品紹介
『 からむしと麻』(1988年/55分)
『魏志倭人伝』に苧麻(ちょま)の名で記されている、衣料材料のカラムシ。
同じように古くから利用されてきた麻。第二次大戦後、それらは急速に日本中から消えていった。福島県西部の山間地に位置する昭和村は、沖縄県宮古島と ともにただ2カ所のカラムシの生産地である。そして数少ない麻の生産地のひとつでもある。カラムシは、イラクサ科の多年草であり、根の植え替えを5~6年に1度する。
5月、太い直根から出る側根を切り、 移し植える。2年目以降の畑では、小満(こまん・立夏の半月後・5月20日頃)にカノ(焼畑)をする。芽の成育をそろえ、 害虫の卵を焼くためである。
次に、畑の周りを茅の垣根で囲い、風で茎がふれあって、傷がつくのを防ぐ。
7月下旬、 2mほどに成長したカラムシを刈り取る。その日に苧(お)引きできる量だけを刈る。苧引きとは、剝いだ表皮を苧引板 にのせてヒキゴとよぶ刃物で肉質部をそぎ、繊維をとることをいう。とれた繊維は家の中で干される。
麻は、クワ科の一年草。5月に種を播いて、8月下旬に刈り取る。刈り取り後、天日で乾燥する。
彼岸頃にオツケ場で4日間水に漬けて柔らかくし 、表皮を剝ぎ、さらに水に漬けてから苧引きをし干される。この後、米糠の汁で煮て手でもみ、床に叩きつけていく。ここまでの作業が、カラムシと麻では異なる。
冬、糸を作り、布を織る 。 まず苧うみ。 繊維を爪で細くさき、唾でしめらせながら長くつないでいく。これに糸車で縒りをかけ、糸にする。次に糸ノベ。1反分の長さの経糸を必要な本数だけ数えとる。経糸をオサに通し、機にかけて織る。 機は地機である。昭和村の人は、カラムシには「キラがある」と言う。 きらめきの意味で、光沢のことをいう。
透けるほど繊細に織られる新潟県の越後上布の材料はこのカラムシで、昭和村はその供給地であった。◆バーチャル からむし工芸博物館(オススメです)
からむし織の里・織姫交流館(昭和村)より「バーチャル からむし工芸博物館」のWebサイトが分かりやすいです。”からむし(苧麻・ラミー)”が中心ですが、アサにも参考になることが多いので、ぜひご覧ください。
・バーチャル からむし工芸博物館
http://www.vill.showa.fukushima.jp/karamushiorinosato/musium/同サイトから「からむしと麻の違い」に関する部分を引用させていただきます。今回上映する作品『からむしと麻』では、こうした違いを映像で知り得ることができます。
1900年代に入ると苧麻を止め、当時盛行していた養蚕に切り替える人も多くなりました。また戦時中は、とにかく収量が多い外来の苧麻類のラミー栽培が奨励され、引かずに供出したこともあったようです。
昭和村では、大麻(アサ)の生産は、苧麻(からむし)生産と併行して行ってきました。特に戦時中でも、自給用のために栽培が止むことはありませんでした。しかし、麻薬取締の観点から大麻栽培が許可制となってからは栽培する人が減るようになりました。昭和村では苧麻をからむし、大麻をアサとよんでいます。
苧麻はイラクサ科のカラムシ属で多年草(宿根草)、大麻はクワ科の植物で一年草です。繊維を取り出す工程では、苧麻は長時間水に浸すと繊維が弱くなりますが、大麻は長時間水に浸し表皮を腐らせます。
糸づくりでも大麻は、熱を加えたり、米糠で揉んだりして柔らかくしてから、裂いて糸にします。つなぐときも繊維の先が細くなっているのでつなぎやすいのです。
苧麻は乾燥させた繊維を水に浸して裂き、つなぎますが、大麻より細い糸ができます。大麻では、スキンノウ(餅米などを蒸かすときに使う)、蚊帳、裃、作業着などが作られました。裃は田島町などで染め、仕立てを頼むことが多かったようです。特に大麻を経糸、苧麻を緯糸で織った交織布を「カタヤマ」といい、裃等に仕立てられました。
苧麻を糸にして紡ぎ、織ることも行われましたが、主に大麻が日常的に績まれ織られました。苧麻は畑から収穫し製し乾燥させ「青苧」で販売することが通常です。大麻は長い冬の間に女性よって「麻績み」され、糸に紡がれ、春に織られることが普通でした。大麻布は自家用あるいは布での販売です。
まず数年、あるいは十年以上大麻栽培を行いながら、堆肥や厩肥を入れて土づくりをすすめ上畑(良質の畑)となった時点で苧麻を植え付けます。
苧麻は栽培後、土地により5、6年過ぎると根が弱り、ところどころに穴があいたように苧麻が無くなるようになります。これを「ウセクチができる」(失せ口)といいます。
ウセクチができるようになると、収量も減ることから、植え替えすることになります。このウセクチができるとその部分の周囲の苧麻はより多くの枝を出したりするため、均一でなくなり、繊維の質が悪くなります。ウセクチに大麻の種子を播き付け、苧麻と競争させて育てることで、苧麻の均一化と、倒伏防止にもなり、大麻も収穫できます。
[引用元]http://www.vill.showa.fukushima.jp/karamushiorinosato/musium/e1.html
◆上映会参加費用について
大変恐縮ですが、上映会参加ご希望の方は、入場料とは別に追加費用を頂戴いたします。
通常1,000円/人ですが、事前購入いただくことで5%OFFとさせていただきます。
【上映日程】
・12/1(金) 15:00~16:00
★申し込みページ:http://karamushitoasa171201.peatix.com・12/2(土) 16:00~17:00
★申し込みページ:http://karamushitoasa171202.peatix.com※他イベントの兼ね合いで、少々遅れる場合があります。
【注意】別途イベント入場料(通常1,000円、事前購入950円)が必要になります。
少々オトクな事前入場券を販売することにいたしました。通常1,000円のところ、5%OFFの950円。お越しいただける方は、以下ページよりお願いします。作品・素材展示、セミナー/説明会の参加費用(有料ワークショップは除きます。)、昭和8年建築の古民家『一欅庵(いっきょあん)』さんへの建物維持費を含みます。2日間ともお使いいただけます。
事前購入チケットについては、こちらのページ(http://asaitohakurankai.peatix.com/)で販売します。
その他、イベント詳細は、以下をご覧ください。
★麻糸博覧会(プレ開催)Webサイト
http://asaito.org/◆「麻糸博覧会」Facebookイベントページ ※ぜひチェックお願いします。
https://www.facebook.com/events/297644844079487/301660357011269/
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