伊勢和紙・御神札、そして麻
一見なんだろう、と思ったかもしれません。冒頭の写真は、伊勢・外宮参道の「献燈(けんとう)」を開いたものです。
「外宮参道」とは、伊勢市から外宮(豊受大神宮)までの道のことをいいます。 たくさんの飲食店や物産店が軒を連ねる通りで、麻福のタイニーショップ(ちっちゃなお店)は、この外宮参道沿いにあります。
「献燈( 献灯 )」とは、 神仏にささげるための灯明 を指しますが、ここ外宮参道の 献燈 =正式には「伊勢和紙行灯」 は、 外宮で1500年、1日も欠かさず 朝夕二回行われている外宮のお祀り「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)[※「国安かれ、民安かれ」との祈りと感謝を捧げるお祭り]に対して 敬意と感謝の気持ちを表現しようとのことから、 外宮参道発展会が参道全体に38基設置したそうです。
ぜひ伊勢神宮・外宮お越しのときには、明るいときだけでなく、暗くなってからもお越しくださいまして、あたたかい灯に包まれていただけますと幸いです。
御神札(おふだ)で用いる紙=伊勢和紙
これら献燈で用いている紙が「伊勢和紙」です。
「伊勢和紙」は、伊勢神宮はじめ各地の神宮・神社にて御神札(おふだ)やお守りなどに使用されています。そう「神宮大麻」で使われている紙はすべて伊勢和紙です。いまも伊勢和紙を製造しているのが 明治32年創業の大豐和紙工業さん。
神宮大麻は、この伊勢和紙を用いて作成します。今年も1月8日より、神宮司庁頒布部が「神宮大麻暦奉製始祭(たいまれきほうせいはじめさい)」を行い、最初の奉製作業となる大麻第1号に印を押すとともに、1年間の奉製作業が始まっています。
2019.01.09
伊勢神宮のお神札と暦の奉製作業始まる 「大麻」第1号に印を押す祭典神宮司庁頒布部(伊勢市中村町)で1月8日、全国に頒布される伊勢神宮のお神札(ふだ)「神宮大麻(たいま)」や「神宮暦(れき)」を作成する作業が始まった。
https://iseshima.keizai.biz/headline/3132/ 伊勢志摩経済新聞より
頒布部では、毎年伊勢神宮の「御用始め」となるこの日に「神宮大麻暦奉製始祭(たいまれきほうせいはじめさい)」を行い、最初の奉製作業となる大麻第1号に印を押し、1年間の奉製作業の安全と頒布が滞りなく行われるように祈願する。同部の敷地内にある祭場には、小松揮世久大宮司をはじめ神職や職員と全奉製員77人合わせて約120人が参列した。「大麻」は神棚などに祭る伊勢神宮の神札。
大麻(たいま)は、大幣(おおぬさ)とも呼ばれ、神道の祭祀において祓いに用いられる道具のひとつを指します。 そして、幣(ぬさ)は幣帛(へいはく)とも呼ばれ、 神に奉献する神饌(酒食)以外のものの総称を指し、その主たるものに布がありました。その布( 神様の衣 )が麻(植物としての大麻)を多く用いられていたため、大幣は、しばしば’幣’が’麻’に変わり大麻(おおぬさ・たいま)と呼ばれるようになったそうです。
神宮の御神札「神宮大麻」は、 皇室の弥栄、国家の安泰、各家庭の平安を祈りつつ一体一体丁重に奉製されているもの。その長い伝統行事に大麻が関わってきたことには改めて感慨深くなります。
【補足】神宮で毎年2回行われる 「神御衣(かんみそ)祭」では、 「荒妙(あらたえ)」 の素材として 大麻の布を奉ります。
史上初めての「伊勢和紙」総合展が東京日本橋で開催中!(1/26まで)
そんな、御神札で使われる伊勢和紙の総合展示会がいま東京日本橋・小津ギャラリーで開催中です。
神社司庁の特別な協力もあり、普段では見ることができない展示品もあります。展示品を説明してくださる 大豐和紙工業の方々から伺う話も興味深いことばかりです。
とっても風合いのよい紙で、今後 麻福でも様々な場面で使わせていただきたいと思っております。 ぜひ、手に取ってご覧くださいませ。
「伊勢和紙」初の総合展示 協力: 神宮司庁 後援: 三重県
[ 小津ギャラリー ] 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町三丁目6-2 小津本館ビル 小津和紙2F Tel. 03-3662-1184
2019年1月21日(月)~26日(土) 10:00~18:00 ※最終日は16時まで
◎ 「伊勢和紙」の沿革、製造工程等の紹介、道具の展示
◎ 「伊勢和紙」、「神宮御用紙」と「御神札」の展示
◎ 「伊勢和紙」を使った作品展示(写真・絵画・書・クラフト・擬革紙)
◎ 「伊勢和紙」および伊勢和紙小物類の販売○ 期間中つぎの体験を実施(有料)
https://isewashi.co.jp/ 大豐和紙工業 Webより
1/21-22 伊勢和紙手すきの実演と紙すき体験
1/23-24 伊勢和紙プリントによる一筆箋づくり
1/25-26 和紙コサージュとミニバッグづくり
【番外】会場の「小津和紙」さんも凄いです。。
会場となる「小津ギャラリー」を運営する「小津和紙」さんも凄いです。。なんと1653年創業。全国の産地の手漉き和紙を各種取り揃えていらっしゃいます。面白くてあっという間に時間たってしまいますよ。
気になる存在だったのですが、敷居高そうで・・なかなか店内に入れなかったのですが、店員の方々も気さくに相談にのってくれて、しかも1枚から購入することもできて感動いたしました。
3Fの小津資料館もぜひ。 ご興味あってお越しになる方は、できるだけ時間をとってどうぞ。
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