【ヘンプ糸のつくり方】 Part1.精麻からの糸づくり

「ヘンプ糸」のつくりかたにもを幾つか方法があります。シリーズものとして可能性をご紹介いたします。

1.精麻からの糸づくり 【糸績(う)み】

「紡ぐ」は短繊維の塊(わた)から、繊維を引き出して、撚(よ)ることでつくっていくのに対して、長繊維を撚り併せながら、繋いで、長い糸をつくっていことを「績(う)む」といいます。

績み方にも様々な方法があります。図解で分かりやすく説明されているページをご紹介します。

◎績み方いろいろ

【引用】http://www15.plala.or.jp/amayokasim/umu.html (道草庵さんより)

手間暇かかるので、熟練者でも1日 20~30mくらいしかつくれない、といいます。細く、均一性のとれた糸になるほど、技術と手間暇が必要となります。

糸績みは「精麻」から行います。

精麻

◎栃木産・最上級 精麻 をおすそ分けしてます。
http://asafuku.jp/SHOP/A0111-1.html

伝統的に糸用の精麻で最高級品とされたのは岩島産。ただ残念ながら、いまは岩島麻保存会の方々で継承されているだけです。

以下は岩島麻の模様です。

(参考)

◎「富岡製糸場」だけでなく「日本麻文化」も世界遺産に!?
http://asafuku.net/?p=565

◎「岩島麻」の概略
http://jimoto-b.com/1942(東吾妻郡教育委員会 社会教育課)

 

岩島に続く産地が福島県昭和村でした。名作『からむしの麻』の舞台となった地域ですね。からむし(苧麻)の産地ですが、昔は大麻も多くやっていました。

「からむし(苧麻)」と「麻(大麻)」から手績みする工程を比較しながら記録した貴重な映像です。

【蚊帳の中で上映会】 麻と竹を考える:『からむしと麻』 『竹縄のさと』
http://asafuku.net/?p=4733

これをみると、”からむし”に比べて”大麻”は、何倍もの手間がかかってしまうことが分かります。大麻は日本中で栽培され使われてきましたが、日本の衣に”大麻”より”からむし”がよく用いられたのには、こうした糸加工の大変さがあると思わざるを得なくなります。

 

現在流通している”精麻”の供給地は99%が栃木県。

ただ、代々神事(しめ縄・鈴緒など)用の精麻を供給してきた地域なので、岩島地区と少し加工方法など異なります。ただ、いい精麻をつくるための手間暇という点ではほぼ同じです。

◎《麻紙名刺PRJ.》光り輝く「精麻」の影に。その加工方法について。
http://asafuku.net/?p=5670

 

日本3大上布とされる「奈良晒」「近江上布」は伝統的には大麻手績み糸を用います。

◎日本の大麻布を発展させた徳川家康~白麻・奈良晒~
http://asafuku.net/?p=2893
◎近江(湖東地域)の麻(ヘンプ・大麻)について
http://asafuku.net/?p=2388

この精麻からつくる糸は、日本独自の糸づくり、といえると思います。

そして、上布として使われる一方、庶民でも家族を支えるものでした。それは、生活必需品の衣として、また、貴重な現金収入を得るものとして、女性の仕事だったのです。麻布税という税金として納めないといけない時代もありました。

そんな尊敬すべき日本人の母と、麻織物を介して紹介した文献が公開されていますので、ご紹介します。

◎麻と生活 ~村人の生活と麻織物~[長野県木曽郡木曾町(旧:開田村)]
http://www.kaidakogen.jp/guide/guide03/asa1.pdf
※PDFが開きます

(何箇所か引用させていただきました。1930年代ころの話です。)

昔はすべてが自給自足の生活であったから衣料も当然、自分たちの手によってまかなわれたものである。
その衣料が開田村では、もっぱら麻によってまかなわれ、どこの家庭でも播種から麻布にするまで、すべてを自分たちの手でやったものである。木綿を着るにも古着と交換するために麻を織らねばならなかった。
そして、その麻に関する仕事の一切はすべて女衆の仕事であった。「麻を織れないものは嫁にせぬ」などといわれたほどで、衣料の自給はすべて女の責任とされていたのである。


道具の新調もさることながら、みから麻布にするまでの技術を身につけさせることがこれまた大変なことであった。どこでも子供の頃からまず績むことを教えた。ベニガラを塗った赤い小さな子供用のオケを見るにつけ、親の気持も理解できるというものである。


嫁の忙しいことは言語に絶するものがある。今日の生活は「夢のようだ」という。 お昼をしょって田植えをした。笹刈りに行って、ヒエモチを食べながら歩いた。 朝は暗いうちに起きてすぐ、囲炉裏の火をたいて、鍋をかける。つぎは馬の湯をわかすために釜の火をたく。湯がわくまで一段落するとすぐに績み始めた。子供を便所へ連れていって用をたしている間にも績んだ。
夜は夜で子供を寝かせてから、11 時でも 12 時でも績んだ。ランプはもったいないで囲炉裏の明りで績んだ。
またよその家へ用事にいくときには、テガラ(績めるように柔かくした麻)を持っていって話をしながら績んだ。その家で気をきかせてザル(オンケの代用になるもの)でも貸してくれればいいが、そうでないときは、テガラを巻いてきた。


衣料の生活はすべて麻布によってまかなわれたといってよい。麻布だけを着るわけにはいかないので反物や木綿の古着などと交換して家中の者が着る衣料とした。また多少は売払い現金にもしたようである。


昔は、水車税や狩猟税、ばくろう税などがあって、その中に織物税もあったようで昭和 7、8 年頃まで麻布にも税がかけられた。


昭和 14 年頃になると軍需品として供出を強要され、各部落へ割り当てがきて、作らされた。 軍需品は規格がめんどうだった。それで栃木県から大塚という先生が来て、麻コナシ(麻切りから仕上げまで)を教えてくれた。

[引用]麻と生活 ~村人の生活と麻織物~[長野県木曽郡木曾町(旧:開田村)]
http://www.kaidakogen.jp/guide/guide03/asa1.pdf

ちなみに、麻のドキュメント大作映画『麻てらす ~よりひめ岩戸開き物語~』は、糸績みに取り組む現代の女性をテーマにした映画です。いま全国で上映会をされています。お近くで企画されるときには、ぜひご覧くださいませ。

◎麻のドキュメント大作『麻てらす』上映会 ~麻を知ることは 日本を知ること~
http://asafuku.net/?p=5642

◎映画『麻てらす』上映予定(および公式Webサイト)
http://asaterasu.com/screening.html

 

次回は、「Part2.生繊維からつくる 」。もっと原始的な使い方になります。

『ヘンプ糸のつくり方』シリーズ


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